胃酸過多のときの食事について
お腹がいっぱいになるまで食べたり、脂っこいものをたくさん食べたりしたとき、胃はしっかりと消化しようと胃酸を多く分泌します。また、病気を原因として胃酸過多になることもあります。
胃酸の分泌が過多になると、粘膜が荒れ、胸やけがしたり、げっぷがたくさん出たり、ときに胃が痛んだり吐き気がしたりといったことが起こります。
胃酸は出れば出るほど良いというものではありませんので、食べ物の種類の工夫や量のコントロール、節酒などを心がける必要があります。そして病気を原因としている場合には、その治療も必要になります。
胃酸過多のときにおすすめの食品
食品名 | おすすめの食品 |
---|---|
穀類 | お粥、うどん、食パン |
魚介類 | タラ、かれい、タイなどの白身魚 |
肉類 | 脂肪の少ない赤身 |
大豆製品 | 豆腐、納豆 |
乳製品 | 温めた牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料 |
野菜 | ほうれん草やカボチャ、ジャガイモなどの繊維の少ない野菜 |
果物 | バナナ、りんご |
胃酸分泌が増える食べ物は控えましょう
以下の食品は、胃酸の分泌を促進します。特に胃の調子が悪いときには避けましょう。
- 香辛料
- 甘味の強い洋菓子、和菓子
- 漬物や塩辛などの塩分の高いもの
- 酢の物やかんきつ類などの酸味の強いもの
- アルコール全般
- 炭酸飲料
- コーヒー、紅茶
胃酸過多になると吐き気をもよおす
胃酸の分泌が促進され粘膜が荒れると、そこをさらに胃酸が刺激して吐き気をもよおすことがあります。
口の中の酸っぱさ、胸焼けや胃もたれをもたらす胃酸過多とは
食事と食事のあいだの空腹時、夜間などは、口の中が酸っぱくなったり、胸やけや胃もたれを起こしやすいタイミングです。胃酸過多を原因とした胃酸の逆流が起こっている可能性があります。逆流性食道炎などに進行することもあります。
胃酸過多になると胃炎や胃潰瘍になることも…
食べ過ぎ、飲み過ぎによって胃酸が多く分泌されてげっぷが多く出たり、翌朝に胸やけがしたりといった場合でも、一過性のものであればそれほど心配する必要はありません。
しかし、そういった胃に負担をかける生活が続けてしまうと、胃炎、さらには胃潰瘍に進展することもあります。
また、胃酸の逆流がある場合には、逆流性食道炎の発症も懸念されます。
胃酸過多はピロリ菌がいない方に多い!?
ピロリ菌に感染すると、その作用により胃酸の分泌が抑えられます。
生活環境が改善し若年者の感染率が低下したこと、そして感染者が除菌治療を受けるケースが増えたことにより、胃酸過多の方が増えていると言われています。
ただもちろん、慢性胃炎、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍の発症リスクを下げられるという大きなメリットがあるため、ピロリ菌に感染していない方が体の健康に良いことには違いありません。
胃酸過多の検査と診断
口または鼻から医療用チューブを挿入して採取した胃液の酸性度を測定することで、胃酸過多の診断を下すことができます。
あわせて、胸部エックス線検査や胃内視鏡検査で、胃酸過多の原因を調べます。
胃酸過多を治すには…
食生活の改善と、胃酸の分泌を抑える薬で治療します。
すでに炎症が起こっている場合には、炎症を抑える薬も使用します。
胃酸過多Q&A
夜寝る前と朝起きたときに口の中が酸っぱいような、苦いような感じがするのですが、胃酸過多なのでしょうか?
すっぱいものがこみ上げる症状を呑酸(どんさん)といい、胃酸逆流の症状とされます。一般的に胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬の内服にて症状が軽快・改善することが知られています。
胃酸過多の場合に食事や飲み物で気を付けた方がいいものはありますか?
高蛋白質・高脂肪の食事や刺激の強い(辛い)食事、カフェインを多く含むコーヒーなどの飲み物、多量の飲酒も胃酸過多・胃酸逆流の原因となります。