沈黙の臓器と呼ばれることから分かる通り、肝臓は症状の表出しにくい内臓です。
当院では、問診・検査から正確な診断を導き出し、適切な治療の提案を行っております。
B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝などをはじめとする肝疾患を診療します。
肝機能が悪い、肝臓の数値が悪いとどうなるの?
肝機能の数値に異常があると言われたとき、「飲み過ぎ」を連想する方は少なくないかと思います。
しかし、肝臓の病気といっても、主に飲み過ぎを原因とする脂肪肝以外にもさまざまな病気があります。B型・C型肝炎、お酒を飲まない人にも見られる非アルコール性脂肪肝炎、そして肝炎や脂肪肝などからの肝硬変、肝がんなど…。
当院では、検査の結果から、上記のようなさまざまな病気の可能性を考慮して診療いたします。
肝臓内科で診療する主な疾患と症状
A型肝炎
A型肝炎ウイルスを含む糞便から水、野菜、果物などを介して感染・発症します。
劇症肝炎という重篤な状態に陥ることがあります。
衛生環境の良くない国・地域へと渡航する場合には特に注意が必要です。
B型肝炎
B型肝炎ウイルス感染者との血液・体液を介して感染・発症します。
感染経路としては、母子感染、輸血、臓器移植、性的接触の他、刺青や針刺し事故(針の使いまわし)などが挙げられます。
一過性の感染で済む場合と、持続感染してしまう場合があります。
C型肝炎
C型肝炎ウイルス感染者との血液・体液を介して感染・発症します。
約7割のケースで持続感染し、自覚症状が少ないこともあり慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進展するリスクも高くなります。
脂肪肝
飲み過ぎ、肥満、糖尿病、脂質異常症などを原因として、肝臓に脂肪が多く蓄積した病気です。
慢性化すると肝硬変、さらには肝がんに進展することがあります。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
アルコールを飲まないにもかかわらず、脂肪肝炎を起こしてしまった状態です。肥満、糖尿病、脂質異常症、薬剤の使用などが原因ではないかと言われていますが、はっきりとした立証はまだなされていません。
肝硬変
B型肝炎、C型肝炎、長期の飲酒習慣の他、自己免疫疾患、薬剤の使用などを主な原因として発症する病気です。
初期には症状がないことも多く、発見が遅れがちな原因の1つとなっています。進行すると、出血、腹水などの症状をきたし、ときに命を脅かします。
肝不全、肝がんへと進展すると、さらに治療は難しくなります。
当院は大阪府肝炎専門医療機関です
C型肝炎・B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎は、自覚症状がないまま肝硬変・肝がんに以降することが多く知られています。このため、肝炎ウイルス陽性の方を早期発見することを目的として、大阪府では保健所等において肝炎ウイルス検査を行っており、陽性者に対して、専門的な医療を提供できる医療期間の指定を勧めています。この度、当院が「大阪府肝炎専門医療機関」の指定を受けました。
このような方は検査をおすすめします
- 過去にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査を受けていない方
- B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの検査結果を把握していない方
- 近親者にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染している人、肝がんになった人がいる方
- 健康診断の血液検査で肝機能(AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTなど)の異常を指摘された後、医療機関を受診していない方
- 母子感染予防が未実施だった1985年以前にお生まれの方
- 輸血を受けた方
- 大きな手術を受けた方
- 刺青を入れたことがある方
- 医療機関以外でピアスの穴を空けたことがある方
肝炎初回精密検査の費用助成
肝炎ウイルス陽性=すぐに治療が必要というわけではなく、採血や腹部超音波検査による精密検査が必要となります。大阪府民で以下の要件を満たす方で、肝炎専門医療機関で『肝炎ウイルスの初回精密検査(医療保険適用のものに限る)』を行った場合、検査費用が助成される制度『初回精密検査費用助成』があります。
対象となる方について
大阪府民で以下の4つの要件をすべて満たす者
- 医療保険各法の規定による被保険者又は被扶養者
- 平成29年4月1日以降に、府実施の肝炎ウイルス検査(委託医療機関の検査を含む)、又は市町村肝炎ウイルス検診(検査)のいずれかで陽性判定であった者。
- 平成30年4月1日以降に初回精密検査を受診した者。ただし、費用助成請求日の前1年以内に陽性と判定された者に限る。
- 府又は市町村が実施する状況把握に同意し、「肝炎ウイルス陽性者に係る状況把握同意書(様式第2号)」を知事に提出した者